ゼミナール

「用と美」ゼミナール

エコで美しい人②

育てた野菜たちが
私を元気にしてくれます

タレント 林マヤさん

2015年12月25日更新

茨城に移住して農業に取り組む林マヤさん。
土に触れ、野菜づくりに向き合う
マヤさんに会いに、
プチクリュ(小さな農園)」を訪ねました。

林さんのプロフィール

元パリコレモデルのマヤさんが地方に移住して農業。
そのきっかけを教えてください。

モデル時代に、不摂生やダイエットで体を壊したんです。多忙だったこともありますが、食生活が良くなくて……。エビと卵しか食べていない時期もありました。摂食障害気味だったんでしょうね。

当時は、「元パリコレモデルだから」という気負いがあって、常にかっこいい自分でいたかった。あまり食べないから体重は減るんですが、体調は最悪でした。肌はボロボロ、重度の貧血で、レストランで料理が出てきた瞬間に椅子に腰かけたままバタンと後ろに倒れてしまったこともあります。気持ちもすさんでイライラしていて、夫とは頻繁にケンカをしていました。

とれたてホヤホヤの野菜! 黄色い人参はフランスの「ジョーヌ ド ドゥ」

赤い大きなアメリカのカブ、「スカーレット クイーン」を収穫。「ハート形でかわいいでしょ!」

そんな私を見た夫が、「体と心の健康を取り戻すために、ちゃんとしたものを食べさせなければ」と考え、つくば市の知人の畑でオーガニック野菜をつくり始めたんです。これがおいしかった! それに、形や色がキレイな野菜を選んで栽培していましたから、超かわいい! 私も、「もっとかわいいい野菜があるんじゃない?」「これもあれもつくりたい」と、野菜にすごく興味が出てきて、しだいにつくる野菜が増えていきました。東京から畑に通うのも大変だから、「近くに住んじゃおう」ってことになって、6年前、茨城県の守谷市に移住したんです。

土と向き合い、野菜を育てる日々はいかがですか?

夫の野菜文化研究家・笛風呂タオスさんと農作業。「農業を軸に、それぞれが好きなこと、興味のあることを自由に楽しんでいます」とマヤさん。今年で結婚29年目。

楽しいですね。土に触れていると無心になれて、癒されます。自分たちの手で育てた野菜を手にするのは格別の喜びがありますし、それが食卓に並んで賑やかになると、家の中が明るくなります。本当に食は大事ですよね。

地方に住んでのんびり畑仕事……と思われるかもしれませんが、東京にいたころより忙しいです。野菜は人間の都合に合わせて待っていてくれないので、毎日世話をしなければいけませんから。特に苗の時期は朝も夕方も様子を見に行かないと、ちゃんと育ちません。野菜をつくってみて、子育ての大変さがわかったような気がしました。

野菜づくりで難しいのは天候です。こればっかりは私たちではどうしようもないですね。雨が降らない日が続くと、ポリタンクに水を詰めて持っていって、畑にまきます。おかげで、腕が鍛えられましたよ。私にとって畑は〝ジム〟でもあります(笑)

畑に必ず持参するもの。農作業でよく使う麻ひも、作業手袋、野菜を持ち帰るのに便利な折り畳み式のエコバック、ランチで使う「マイ箸」など。

「プチクリエ」と名付けた農園で、少量多品目の野菜を育てています。

「プチクリエ」は、フランス語で「小さな農園」という意味です。農薬や化学肥料を一切使わず、肥料も糠など植物性のものが中心。一般の農家の方は品種を絞って大量に栽培されますが、私たちはいろんなものを少しずつつくっています。これは、いろんな野菜を育てたいということと、気候などの条件が悪くなっても、多品目であれば、収穫できるものが必ずあると考えているからです。

「プチクリエ」でとれたカラフルな「レアベジ」たち。

畑の中央にある白いアーチは、「プチクリュ」の「凱旋門」。「アーチにつながる通路は、この畑のメインストリート。夏には雉の親子が遊びに来て歩いていました」

種を播いた日付と作物名を書いた名札を立てて、管理。

育てているのは、メジャーではない野菜、「レアベジ」で、「セレブ野菜」と呼ばれることもあるようです。私も夫もルックスにこだわるから、形がかわいくて色が鮮やかな西洋野菜を選んでいるんです。うちの畑は野菜が〝パリコレ〟みたいなんですよ(笑)

山形の「温海(あつみ)かぶ」や千葉の「大浦ごぼう」など、希少な日本の伝統野菜もつくっています。今年は年間を通じて160種類の野菜を育てました。

たくさん野菜を食べて、ますます美しくなりましたね。

東京でダイエットしていたときより食べているんですが、太らないんです。体調もすごくいい。それに、ここに暮らすようになって、気持ちが楽になりましたね。以前は年齢を気にしていたけれど、自分の年を言うのも平気になりました。化粧も厚塗りしていたけれど、今は「シミもしわも人生のアクセサリー」と思えるようになりました。

でも、土まみれになってもくもくと農作業するのではなく、おしゃれに楽しくやりたいですね。私がプロデュースしているファッションブランド『MAYAMAYA』で、おしゃれで機能的な作業着をつくってみたいと思っているんです。「レアベジ」みたいなかわいい野菜を知り、かわいい着こなしで農業ができる作業着があったら、「野菜を育ててみようかな」っていう女の子もどんどん出てくると思うんですよね。

来年から、休止していた音楽活動を再開する予定。「野菜と音楽でコラボレーションができないかと考えています。うちでつくった野菜を味わいながらライブを楽しむとか、畑でライブとか」

林マヤ Maya Hayashi

1980年代、ファッションモデルとしてデビュー。パリで世界的に有名なカメラマン、ピーター・リンドバーグ氏と出会い、日本人で初めてフランス版「マリークレール誌」に登場。パリコレクションをはじめ、数々のファッションショー等で活躍。

1990年代、JAZZに魅せられ、英語とフランス語のWorldPopMusicのアルバム『MAYA』(ミディ・レコード)でCDデビュー。その後、個性的なキャラクターと経験を生かし、タレントとして活動を行う。

2009年、茨城県守谷市に移住し、有機野菜栽培を始める。

現在、テレビ、雑誌、ラジオなどで活動しつつ、独自のスタイルで「おしゃれエコ」推進中。静岡あさひテレビ「エンジョイDIY」、TVK「ありがとっ!」(月曜日)にレギュラー出演中。

●マヤマヤ&タオスの農Dream農Life http://www.no-dream-no-life.com/

取材:2015年12月
撮影:平山 順一

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