すまい相談

近藤典子先生の「すまい相談室」

1月のご相談・ご質問

以前キッチンツールの整頓についてアドバイスいただき、ありがとうございました。(「色と質感を揃えてストレートライン!」の鉄則はキッチン以外でも役立っています。)実はキッチン周りでもう一つ悩みが・・・それは食器収納についてです。備え付けの戸棚にごく普通にしまっているのですが、重ねた平皿が出しにくかったり、お箸のペアが行方不明になったり。食器収納のコツがありましたら、再びご教授いただけますと幸いです。

(ニックネーム:T.S)

"T.S"さん、ご相談ありがとうございます。
回答してくださるのは、住まい方アドバイザーの近藤典子さんです。
早速お願いします。

こんにちは、近藤典子です。

T.Sさん、お待たせいたしました!

私の回答を実践して、しかも「ストレートライン!」という鉄則を応用してくださっているとのこと。とっても嬉しいです。さらに新しいご相談もありがとうございます。

キッチンは家の中で「片づかない場所」の1位を独走しています。なぜか。原因はいろいろあるのですが、T.Sさんもお困りのように、収納スペースが"ない"からではなくて"使いこなせていない"から。私は「暮らしアカデミー」の講座で、繰り返しこう話します。

しまう収納はダメ! 次に使うための、出し入れしやすい収納を。

これはどこの収納についても言えることですが、日々料理をしなければならない場所であるキッチンでは特に重要なポイントです。T.Sさんの質問の中にも「重ねた平皿が出しにくかったり」とありますが、やはり食器は積み重ねると出し入れしにくくなります。できるだけ積み重ねないようにするには、棚板を分けるということ。つまり棚板を増やさないとダメなんです。そこで今回は、「棚板を増やす」方法をお教えしましょう。

棚板を増やす方法① カラーボックスを使って

カラーボックスがいいですよ、と手放しでおすすめするわけではないのですが、どんな食器棚を買ったらいいかわからないというときや、いつまた引っ越すかわからないから家具は買いたくないというときには試してほしいアイテムです。

例えば、通販サイトで買える「アイリスオーヤマ」のカラーボックスは、色やサイズが豊富で、別売りで棚板や引き出しもあるので、私もカタログを手元に置いて愛用しています。組み合わせると決して安くはありませんが、何がいいかというと、失敗してもまた別の何かに使えるということ。無駄にならない。いきなりお洒落でサイズ感もぴったりの家具を買おうとしても、なかなかうまくいかないもの。いつかお気に入りの食器棚を買う前のウォーミングアップという風に考えてもいいんじゃないかしら。

そのカラーボックスと棚板、引き出し、バスケットなどを組み合わせて作ったキッチン横の収納コーナーがこちら。

向かって左の食器収納は、カラーボックスに棚板を足したものです。別売りの「棚板用レールボード」を内側に貼り付けて(左端の内側の板が凸凹に波打っているのが見えますか?)、その溝に棚板を渡すだけ。溝の幅が狭いから、食器の高さに合わせて、かなり思い通りの高さに調整できるし、ちょっと高級感を出したいというときには扉のオプションもあります。

T.Sさんのお悩み「お箸のペアが行方不明になったり‥‥」というのは、浅めの引き出しで解決できるでしょう。写真右手は、カラーボックスに専用の引き出しを上下4個ずつセットしたもの。中にカトラリーケースなどで仕切りをつけるといいでしょう。この引き出しは高さが6cmに満たない浅さなので、お箸や箸置き、小さなスプーンやなども迷子にならないと思います。樹脂製なので、つるつると引き出しやすいのもラク。カラーボックスの1つの枠に4つぴったりとセットできるようになっているから、ホコリが入りにくいのも嬉しいです。

棚板を増やす方法② 食器棚にダボ穴がある場合

食器棚にダボ(差し込む金具)がついていたら、それを持ってホームセンターに買いに行きます。デザインが多少違っていても差し込む部分の直径が合っていれば大丈夫。ただ、自分でダボ穴を測って‥‥というのは、1mm違ってもダメですからおすすめできません。そして、もともとある棚板を測って、それと同じ寸法に切ってもらいます。これで、棚板が増やせます。

このときに、せっかくならもともとの棚板に合わせた色にしたいですよね。白や黒だったら問題ありませんが、塗装されているような棚板であれば、「オイルステイン」という塗装剤を使えば簡単ですよ。刷毛でなくても、ボロ布につけてさぁ〜っと拭くように塗る。すごく簡単で、しかもきれいに塗れるから、あっちこっち塗りたくなりますよ(笑)。ちょっとしたコツは、色を塗る前に下地をサンドベーパーでこすっておくこと。ゴム手袋も忘れないでね。

最近またDIYが流行っているので、DIYコーナーのあるお店も増えました。店員さんに質問すると喜んで教えてもらえるので、ぜひお友達になってください!

棚板を増やす方法③ ダボ穴がない場合は「積み木棚」を

ダボがない場合は、「積み木棚」という方法もあります。いろんなやり方がありますが、今回はネジを1本も使わない簡単な方法をお教えしましょう。下の写真は、3枚の棚板を増やした積み木棚です。例えば空間の高さを6cmにしたいなら、「奥行きの幅×高さ6cm」の板を両面テープを使って両側面に貼り付けます。そして上に棚板をのせるだけ。のせるときにも両面テープを貼っておけば安定します。普通の両面テープでもいいのですが、粘着力が強くて剥がすときも下地を傷つけない"コマンドTMタブ"(3M)はとっても便利ですよ。

資料提供:株式会社 近藤典子Home & Life研究所

ここで、ちょっと近藤流
「洋食器と和食器のサイズを知ろう!」

実は、棚の奥行きは30cmあれば、ほとんどの食器が収まるんです。奥行きが40cmも45cmもある食器棚が当たり前と思われていますが、収納棚の奥行きを10cm抑えれば、その分、部屋や廊下は広くなるでしょ? ですから、最初に紹介したカラーボックス(奥行き27cm)や多目的棚を食器棚として利用するのは、空間を広く使う意味でも有効だと思います。

Column

■平均的な食器の大きさ

<直径10cmまで> 小皿、小鉢、湯飲み、コーヒーカップ、グラス、ワイングラス
<直径15cmまで> 茶碗、中皿、マグカップ、汁椀
<直径20cmまで> ケーキ皿、パン皿、どんぶり、中鉢、中皿
<直径25cmまで> スープ皿、ミート皿、ラーメン鉢
<直径30cmまで> ディナー皿、大皿、大鉢

ほらね、奥行き20cmを確保できる棚があれば、日常使いの食器が収まり、奥行き30cmを確保できる棚があれば、ほとんどの食器が収まるということなんです。

■和食器の大きさの目安

一般に和食器の大中小は、「寸」「尺」の寸法で分けて考えられています。
1寸=約3cm/1尺=10寸
<小 直径2〜3寸(6cm〜12cm)> 小皿、小鉢
<中 直径5〜7寸(15cm〜21cm)> 中皿、中鉢、どんぶり
<大 直径8寸〜1尺(24cm〜30cm)> 大皿、大鉢 ほか

参考資料:『暮らしを整える 住まい方ハンドブック2』近藤典子著

先ほどDIYが最近また流行っていると言いましたが、T.SさんももしかしてDIY派では? インテリア重視のDIYについて提案される専門家はたくさんいると思うのですが、私は"空間をつくっていくためのDIY"をいつも考えています。それも、家や家具を傷つけない方法でね。

家の中の空間を無駄なく使う。空間には無駄なんてないんです。無駄だと思った瞬間から無駄になる。デッドスペースだと思ったときからデッドスペースにしか見えなくなるんです。
さぁ、T.Sさんもそんな視点で食器収納の空間をつくってみてください。そしてまたご報告くださいね。待っています!

住まいの「悩み」は、快適な住まいへの糸口です。
一緒に解決のトビラを開きましょう!

近藤典子 Noriko kondo
(住まい方アドバイザー)

30年に及ぶ収納実績による商品開発・オリジナル収納ユニット・間取り提案が好評。 著書は、累計部数400万部以上、海外でも翻訳多数。 2016年より南京工業大学浦江学院 客員教授。 資格取得できる「住まい方アドバイザー養成講座」を東京・大阪にて開講。第3期(2017年6月開講)受講生申込受付中。お問い合わせは、近藤典子の暮らしアカデミー事務局(http://www.kurashi-academy.jp TEL:03-3267-0537)まで。

●近藤典子Home&Life研究所 http://www.hli.jp/

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