すまい相談

近藤典子先生の「すまい相談室」

11月のご相談・ご質問

近藤先生こんにちは。子育てと仕事に忙しい毎日を送っているので、家の中全体が片付きません。先日も、探し物をしていたら、なんと、12年前に今の家に引っ越してきたときの未開封のダンボール箱を見つけました。こんなに長期間忘れていたので、まぁ、なくてもいいものばっかりだったんですが‥‥。普段は目の前のことを処理するのに精いっぱいで、古いものが片付きません。どうしたらよいでしょうか?

(ニックネーム:まろん)

"まろん"さん、ご相談ありがとうございます。
回答してくださるのは、住まい方アドバイザーの近藤典子さんです。
早速お願いします。

分かりますよ、分かります! 本当にね、子育てだったり仕事だったり介護だったり、一日24時間という限られた時間の中で、ゆとりを持って暮らしているという人は少ないと思うんです。「普段は目の前のことを処理するのに精いっぱい」というまろんさんのお気持ち、私もものすごくよく分かります。

だけどね、それに負けちゃうとどんどんストレスが溜まってきて自分もイライラしてきちゃう。それだけでなく、例えば買い置きしてあることに気がつかなくて、二重買い、三重買いしてしまえば、「物」も「空間」も「お金」も無駄遣いすることになりますね。

私がみなさんにいつも申し上げるのは、「焦らないで!」ということ。「散らかった家は逃げない!」「片づかない家は逃げない!」「大丈夫、あなたのために待っている」と。

そうは言っても、片づかないことや散らかった家が"忙しいという気持ち"を増幅させてしまうこともありますし、片づいていないことへの罪悪感や、家族へのイライラ感をつのらせないためにも、自分なりの片づけのペースを作りたいですね。

そこで今回は、忙しい人におすすめの「肩の力を抜いてできるマイペースの片づけ」をお教えします。

まずは、決め事をしましょう。それも、難しくない決め事。1日に10分だけ、とか、1週間に2時間だけとか、1か月に半日とか1日とか。2か月以上開けると気持ちが切れてだれてしまうので、長くても1か月単位がいいと思います。自分で決めて、自分のペースでというのが大事。

ポイントの1つ目は時間がきたらやめること

やりたくてもやめる(笑)。次に片づける楽しみを残す。ここが、片づけを習慣づけるコツなんです。実際にそうしている人もいますよ。子どもが寝たあと自分の時間になったとき、10分だけ携帯のアラームを使って片づけタイム。アラームが鳴ったら、途中でも絶対にやめるんですって。ゲーム感覚ですよね。

ポイントの2つ目は家族を巻き込む、でも強要しないこと

さらにもう一つアドバイスするなら、家族に公言するのがいいと思います。「お母さん、1日に10分だけ集中して片づけることにした。突然、片づけを始めても気にしないでね。よかったら参加して。ただし、アラームが鳴ったら全員やめるのよ」と。お母さんがひとり、しゃかりきになって頑張ることで家族が重荷になることもあります。そうならないように、家族を巻き込むのもいいですね。ただし、決して強要しないで。

ちょっと余談ですが、実際にこんなエピソードがありました。私の暮らしのアカデミーの生徒さんなのですが、10回のコースを終えられたあと、みなさん何か変わったことがありますか? とお聞きしたら、「不登校だった子どもが2年ぶりに学校へ行くようになりました。担任だった先生のところへ行って、机の上を片づけてあげましょう、と言って実践したそうです。私にだってできることはあるね、お母さん、と言ってくれました」と涙ながらに話された方がありました。このお母さんも、片づけの参加を強要したのではなく、お子さんがいつの間にか参加するようになったそうです。

ポイントの3つ目は、大きな扉のあるところから始めること

荷物が散らかっていると、ついつい散らかっている部屋から片づけたくなるものですが、私は「大きな扉のあるところから」と言っています。つまり、押入れ、物置、納戸などですね。手つかずになりやすいところです。ご相談者まろんさんの12年ぶりのダンボール箱も、そんなところに隠れていたのでしょう。

片づけには色々な方法がありますが、私がまろんさんにオススメなのは、大きな扉の中の物を全部出して、まずは「分ける」という方法。いらないものは処分して、いるものだけ残します。その時に収納のことはいっさい考えなくていいですよ。そして、残った物を紙にざっとメモしてその収納スペースに貼っておきましょう。大きな扉ごとに贅肉を落として、すべての扉の中がいるものだけになったら、最後にメモを全部集めて収納場所を割り当てていきましょう。

扉のあるところからやると、時間がくれば元に戻しておけるというメリットもあります。

ここで、ちょっと近藤流
「"分ける"といろんなことが"分かる"!」

整理とは分ける作業。分けると今の自分の状況が分かります。

Column

1 整理  「いる物」と「いらない物」に分けて、「必要な物」だけに

  ↓

2 収納 「必要な物」を「使う場所」に「出し入れしやすい方法」で収める

  ↓

3 整頓  使った物を元の場所に戻す

「いるか、いらないか」は、「使えるか、使えないか」ではなく、「使うか、使わないか」で判断します。そうして「分ける」と「分かる」んですよ。何が分かるかというと、自分が持っている物の内容、量。かつて自分がそれに対してどう思っていたか、どう使っていたか。そして今はどうなのかということ。

例えば折り畳み傘。家中に散らばって収納されている場合はまず全部を集めてきます。「あら私のだけで7本もあったのね。これは畳むと確かにコンパクトになるけど、使うたびに頼りなくてイライラしていた傘。これは頂き物で柄がイマイチ気に入らない傘‥‥出番が少なくて忘れていたわ。これは携帯するには重たくて、年々敬遠するように‥‥」。どうですか? こうして分けていくと、一つひとつの物への自分の思いが分かってきますね。

さぁ、いる物だけになったらそこで初めて収納です! 指定席の"割り当て"ですね。割り当てる、というのは、「使う所に、使う物を収納する」こと。いらない物がたくさんある状態でいくら割り当ててもダメ。すぐに物の引っ越しが始まっちゃいますから。

片づけの80%は実は「整理」なんです。整理が終われば、片づけはほぼ終わったも同然!

基本の片づけが終われば日常の片づけは使ったものを元に戻す「整頓」だけ、というわけです。とっても簡単でしょ。

資料提供:株式会社 近藤典子Home & Life研究所

まろんさん、先ほども言いましたが、片づかない家は逃げません。でもね、私の経験から、忙しいことは一生続きます(笑)。これは何も家庭の主婦に限ったことではありませんね。子育てが終わり、定年退職して時間ができたと思えば親の介護が始まったり、親の介護が終わったと思えば連れ合いの具合が悪くなったり。兄弟の具合が悪くなることだってあるでしょう。何もなければないで、旅行やボランティアや遊びに忙しい。なんだかずっと忙しい。

いいじゃないですか、忙しいのは求められているということですから。心を亡くすかどうかは自分の気持ち次第。まろんさん、楽しみながら上手に家族を巻き込みながら、忙しいからこそムダなく、肩を張らずに、片づく家をめざしてください。

住まいの「悩み」は、快適な住まいへの糸口です。
一緒に解決のトビラを開きましょう!

近藤典子 Noriko kondo
(住まい方アドバイザー)

30年に及ぶ収納実績による商品開発・オリジナル収納ユニット・間取り提案が好評。 著書は、累計部数400万部以上、海外でも翻訳多数。 2016年より南京工業大学浦江学院 客員教授。 資格取得できる「住まい方アドバイザー養成講座」を東京・大阪にて開講。第3期(2017年6月開講)受講生申込受付中。お問い合わせは、近藤典子の暮らしアカデミー事務局(http://www.kurashi-academy.jp TEL:03-3267-0537)まで。

●近藤典子Home&Life研究所 http://www.hli.jp/

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