すまい相談

近藤典子先生の「すまい相談室」

5月のご相談・ご質問

近藤典子先生、こんにちは。3人いた子どもたちが、全員独立して家を出ていきましたので、この際、たくさんあるお鍋を、夫婦2人の食事づくりができる程度に整理したいと思っています。どんなお鍋がどれくらいあれば事足りるでしょうか? ちなみに夫と私は和食党で、簡単な中華料理は時々つくりますが、洋食や揚げ物は外食する主義です。

(ニックネーム:chako)

"chako"さん、ご相談ありがとうございます。
回答してくださるのは、住まい方アドバイザーの近藤典子さんです。
早速お願いします。

こんにちは、近藤典子です。

ご相談者のchakoさんは、自分たちの暮らしが見えていて、どんな暮らしをすると自分たちが快適なのか、よく分かってらっしゃる方だと思います。暮らしに合わせて持ち物の適正量を知りたい、整理したいという考えは素晴らしいですね。

さて早速ですが、ご相談者のライフスタイルの場合、お鍋は3〜4つあれば事足りると思います。普段の食事は和食がメインということですから、2人分であれば直径16㎝前後の小鍋でお味噌汁と少しの煮物、直径22㎝前後の中鍋なら少し多めの煮物、27㎝の大鍋はそうめんを茹でたり、蒸し器として利用できます。これにミルクパンがあればより便利。

何品のおかずを作るかにもよりますが、これにフライパンが1つあれば十分ではないでしょうか。いまは少し深めのフライパンがでていますが、炒め物もできるし煮物もできてとても便利。こうしたフライパンを利用するのもいいでしょう。

お鍋は片手鍋がいいのか、両手鍋がいいのか。高齢になると片手鍋は重いから両手鍋は便利なのですが、両手鍋の場合は姿勢がどうしても前かがみになってしまうでしょ? 前かがみになると姿勢が辛いという人もいますし、ガスコンロであれば袖口に火がつかないように用心しなくてはいけません。IHであれば安心かというと、火が見えない分うっかり火傷してしまうという事故もあり、一長一短。

どちらの方が自分に向いているのか、一度十分に意識しながらキッチンで動いてみて、合う方を選んでください。

ここでもう少し、リフォームしないでできる「高齢者のためのキッチン」についてお話ししたいと思います。chakoさんはまだお若いようですが、参考までにどうぞ。

1

普段使いのお鍋はキッチンの下へ収納。吊り戸棚はないものと考える

先ほどお話ししたように使わなくなった大家族用の大きな鍋などは処分して、普段使いの3つなら3つのお鍋とフライパンは、キッチンの流し、またはコンロの下へ収納します。ここは私の場所。そして吊り戸棚はたまに帰省するお子さんたちに自由に使ってもらう、というのはいかがでしょう。ここはあなたたちの場所よ、と。自分たちで使いやすい鍋や調理道具を選んで置いてもらってもいいですね。すると、「お母さん、あれはどこ? これはどこ?」と聞かれることもないですし、「もう、こんなに汚しちゃって!」と文句を言われることもない(笑)。実の母娘でもケンカになりますからね。

普段から吊り戸棚はないものと考えて生活するといいと思います。

2

キッチンマットは使わない。つまずきの原因に!

床が汚れないようにキッチンマットを敷く人が多いのですが、高齢になるとあのわずかな段差につまずくようになるのです。私が治療師をしているときにも、これが原因で骨折した人を何人も診てきました。キッチンマットは使わず、掃除のしやすいPタイルやクッションフロアにするのがいいでしょう。

3

"もたれバー"の活用

キッチンでの立ち仕事を辛く感じる場合は、市販の"もたれバー"を取り付けましょう。タオル掛けを少し幅広にした棒で、簡単に付けられますし安価なのも嬉しいですね。身体を軽く預けて作業するだけでうんと楽になりますよ。

ここで、ちょっと近藤流
「震災に備えて"簡単にできる家具の固定方法"」

また大震災が起こってしまいました。地震を考えた家具の配置や収納についてはまたのご相談の際にじっくり語りたいと思いますが、すぐにでもできる家具の固定法についてお教えしましょう。あなたの固定法は効果的ですか?

Column

家具の固定方法による効果の違い

家具を固定する物には、ビス止めチェーン、ゲル状マット、L字型金具などいろいろありますが、器具の種類によって、また組み合わせによって、その効果には違いがあります。下の表をご覧ください。例えば、家具の下に敷くストッパーやマットは単体では効果は小さいけれど、これにポール式のストッパーを組み合わせると、L型金具と同じくらいの効果を発揮します。

まずは、ストッパー式やマット式のものを家具の前面に敷いて家具を後ろに傾けます。その状態でポール(突っ張り棒)で天井に止めます。その時に、天井を叩いて、必ず桟がある固い部分に止めるようにしましょう。空洞の部分だと突っ張り棒の効力がなくなるか、小さくなります。

資料提供:株式会社近藤典子Home & Life研究所

九州の大地震の後、愛媛にいる友人から電話がありました。愛媛でもゆっくりと、ずいぶん揺れたらしく「とりあえず何をすればいいの?」と。私は、「飛散防止シートを貼りなさい!」と答えました。そういうと、食器棚のガラスだけだと思われる方が多いのですが、でもね、廊下に額縁は飾ってませんか? 壁の時計は大丈夫? リビングから玄関へ、寝室からリビングへ、避難路にある割れる物にはすべてに貼りなさいと。

その次には食器棚に耐震ラッチを取り付けなさいと答えました。内側に取り付けられるタイプなどいろいろなタイプがあるので、ホームセンターなどで探してみてください。

chakoさん、回答が震災に寄ってしまいましたが、老後に備えて物を整理することは、震災に備えて安全な住まいにすることにもつながります。ぜひ実践してくださいね。

住まいの「悩み」は、快適な住まいへの糸口です。
一緒に解決のトビラを開きましょう!

近藤典子 Noriko kondo
(住まい方アドバイザー)

30年に及ぶ収納実績による商品開発・オリジナル収納ユニット・間取り提案が好評。 著書は、累計部数400万部以上、海外でも翻訳多数。 2016年より南京工業大学浦江学院 客員教授。 資格取得できる「住まい方アドバイザー養成講座」を東京・大阪にて開講。第3期(2017年6月開講)受講生申込受付中。お問い合わせは、近藤典子の暮らしアカデミー事務局(http://www.kurashi-academy.jp TEL:03-3267-0537)まで。

●近藤典子Home&Life研究所 http://www.hli.jp/

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