すまい相談

近藤典子先生の「すまい相談室」

4月のご相談・ご質問

近藤典子さん、こんにちは。若い頃から箱好きで、部屋の中に箱がどんどんたまり、片づきません。収納に使えるものは使っており、デザインの良いものは飾ったりしております。マトリョーシカのようにスタッキングできるものはそうしているのですが……。箱なのでつぶして捨てるのは簡単ですが、いざとなると惜しい気持ちがでてきます。いい方法はないでしょうか。

(ニックネーム:yaya)

"yaya"さん、ご相談ありがとうございます。
回答してくださるのは、住まい方アドバイザーの近藤典子さんです。
早速お願いします。

こんにちは、近藤典子です。

箱好きのyayaさん、すごく分かります、そのお気持ち! 私も箱が大好き。ギフトでいただいた素敵な箱などは、なかなか捨てられませんよね。

でもね、箱って、中は空気。空気をしまっているようなものなんです。家という限られた空間を無駄遣いしているかもしれない。それを理解しましょう、というのが今回の回答のポイントです。

いきなり結論から入りましたが、箱好きのyayaさんへお尋ねします。「その、捨てるのが惜しい気がする"箱"。どのくらいの"好き度"ですか?」と。

たとえば、家の中に飾っているお気に入りのインテリア用品と比べてどうですか?
ここで、Yes!という答えなら、その箱は「インテリア用品」に匹敵するものと考えていいですね。飾って、視覚で楽しみましょう。

ここで近藤流のアドバイス。

数を決めてモノを持つという考え方がありますが、「そこまでするのは大変!」というのが現状だと思います。しかし、家という限られた空間の中で、家族もいる場合、やはりある程度の目安は決めておいた方がいいと思います。数なのか、スペースなのか。だって、家族全員がその箱が好き、というわけじゃないかもしれないでしょう? 箱好きのyayaさんは、若い頃からかなりたくさんの箱をお持ちということですが、上限を10個なら10個、20個なら20個と決めましょう。

そしてそれを家中のあちこちに置くのではなくて、1か所にまとめて飾ります。そこはいわば、自分の"無駄置き場"。実用品としては役立たなけれど、眺めると癒しや和みを与えてくれたり、心のかさつき感をなくしてくれる場所です。

だけど、そこへすぐに新しい箱がやってくる。「困ったわ〜」と悩むのではなくて、そのときがチャンス! 前からあるものと比べて(色や柄だけじゃありませんね、素材感やカタチなども)取捨選択することで、箱たちがバージョンアップします。自分の意識を磨くチャンスともいえます。このとき、上限の数を決めておく、あるいはスペースを決めておく、という「制約」が大事になってきます。

そしてある日"なんで、こんな箱を飾っているんだろう…"と思う日がくるかもしれません。それでも、長い間、自分の"無駄置き場"として貢献してくれたと思えば、すっきり処分できます。「前」を後悔することもないし、「今」を後悔することもありません。

ちょっと可愛いけど、インテリア用品に匹敵するほどじゃない。つまり、No!という答えなら、その箱は、家の空間を無駄に占有しているもの。収納箱として利用するなり、処分するなりしましょう。

ただね、機能的に使おうとすればするほど、素敵な箱がだんだん不細工になるという経験、みなさんもありませんか? 箱だけに限りませんが、面白いですよね。

ここで、ちょっと近藤流
「自分なりの"モノの持ち方ストーリー"をつくろう !」

そのモノを持っていたいのは、なぜ? 自分の"モノの持ち方"を自己分析して、持ち方のストーリーをつくれば、置き場が決まり、処分が楽になります。

Column
1

いつも見て、楽しみたいから
この場合は、先ほどお話ししたように、よく見える場所に"無駄置き場"をつくり、家族に「ここだけは許してね」とわかってもらって飾りましょう。

2

誰かがきたときに、見せたいから
普段はしまっておいて、見せるときに飾ればいい。でも、その場所が必要ですよ。「場所」というのはお金です。持ち家で家賃は払わなくても固定資産税を払っていますからね。モノを持つということは、そうした「場所」や「空間」に対するコスト意識も必要です。

3

モノを集める、手に入れるプロセスが楽しいから
延々とモノを集めたい人もいます。集めたり、取得したりするプロセスが楽しいんだと。そういう場合は、ある程度の量になったら処分しましょう。2と同じように、集めたモノが占領する場所や空間を意識することも大事です。

さて、箱さん! じゃなくてyayaさん。yayaさんの好きな箱はどんな箱でしょう。エルメスやティファニーといったブランドものの箱かしら。それとも、名もなきブランドだけど、チェック柄が可愛いとか、素材感が好きとか、そんな箱たちかしら。ぜひ、家の中にyayaさんの"無駄置き場"と称するスペースを作って、その箱たちをインテリア用品として楽しんでみてください。

最近は、高齢になった方を中心に、「減築」=暮らしのダウンサイジングということがよく言われます。そうなったときに、"自分のモノの持ち方ストーリー"があると、楽ですよね。みなさんも、制約の中でモノを持つ、ことをチャンスと捉えて、センスを磨きましょう。

さぁ、日増しに暖かくなって、部屋の模様替えをしたくなったり、新しいインテリアに興味がわいたり。そんなとき「困った!」があれば、どしどしご相談くださいね。お待ちしています。

住まいの「悩み」は、快適な住まいへの糸口です。
一緒に解決のトビラを開きましょう!

近藤典子 Noriko kondo
(住まい方アドバイザー)

30年に及ぶ収納実績による商品開発・オリジナル収納ユニット・間取り提案が好評。 著書は、累計部数400万部以上、海外でも翻訳多数。 2016年より南京工業大学浦江学院 客員教授。 資格取得できる「住まい方アドバイザー養成講座」を東京・大阪にて開講。第3期(2017年6月開講)受講生申込受付中。お問い合わせは、近藤典子の暮らしアカデミー事務局(http://www.kurashi-academy.jp TEL:03-3267-0537)まで。

●近藤典子Home&Life研究所 http://www.hli.jp/

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