すまい相談

近藤典子先生の「すまい相談室」

3月のご相談・ご質問

近藤先生こんにちは。9月に「引っ越しが多い」という悩みを相談させていただいた者です。「すべては物事の捉え方、仮住まいをネガティブに捉えなくていい」というアドバイス、とっても励まされました! さて、またまた引っ越しになりました。今回の悩みは、鉢植えの移動です。観葉植物が大好きで、小さなハーブや多肉植物の鉢が20個ぐらいあります。葉っぱを傷めないで、上手に運ぶ方法があったら、ぜひ教えてください!

(ニックネーム:月のたまご)

"月のたまご"さん、再びのご相談ありがとうございます。
回答してくださるのは、住まい方アドバイザーの近藤典子さんです。
早速お願いします。

こんにちは、近藤典子です。

このコーナーへ2回目のご相談にきてくださったとのこと、嬉しいですね。月のたまごさん、ありがとうございます。何を隠そう、私の収納の原点は「引っ越し屋さん」なんです。夫が設立した、引っ越し荷造り・荷解き、ハウスクリーニング等を請け負う会社のエプロンサービスを手伝ったのが、現在の住まい方アドバイザーへのスタートになりました。

当時、1980年代の半ばから後半にかけて世はバブル期。企業は社員のお引っ越しに必ずといっていいほど、"荷造り・荷解き"をセットしていて、私たち業者も大忙し。その頃には今のように梱包材や収納道具が豊富ではなかったので、あるものをどう使うか、日々工夫しながらやっていました。その頃に、荷造りや荷解きをしながら家の奥様とおしゃべりしたこと(時にはグチや家の内情を聞かされたりもしましたよ…)、その中から暮らしとは何かを学んできたように思います。

去年、富山のさる建設会社の社長さんのお引っ越しを手伝ったのですが、久々にやってみて、お引っ越しは基本的には何も変わっていないなと感じました。人の手でしかできないアナログの部分がたくさん残っていますから。そこがお引っ越しの面白いところなんだと思います。

さて、月のたまごさん、お待たせしました!

グリーンをたくさん持つ暮らしは決して悪くないけれど、お引っ越しのときにはいくつかの注意が必要。傷つけたり、鉢を割ったり、水漏れで他の荷物を濡らしたり……ということがないように、無事に引っ越しさせてあげたいですね。だって、生き物ですから。

ご質問の"小さな鉢植えの移動"について、私からのアドバイスは3つ。

その1 小のダンボールを「口開け」で

荷造り用には大中小のダンボールがありますが、必ず小のダンボールを使います。
1つ1つの鉢植えは軽くても、土や陶器で意外と重くなるので

ダンボールは耳の部分を内側に入れて、口が開いた状態に。
私たちは「口開け」と呼んでいますが、ひとつは運ぶ人や荷解きをする人にひと目で植物だと分かってもらうため、もうひとつは上に他のダンボールが積めないようにするため

そのダンボールの内側に大きなゴミ袋を敷きます。
防水役ですね

さらに、底に新聞紙かキッチンペーパーを敷きます。
滑り止めと、万が一水が漏れたときの吸水役

その2 鉢ごとにダンボールでくるりと一巻き
多肉植物など、葉っぱが傷んだり落ちたりしやすいものは、ダンボールを植物の背丈より1、2センチ高めに切って、くるりとひと巻きします。ダンボールは、耳の部分を使ってもいいですね。このひと手間で「塀」をつくります
その3 さらにミニ鉢や大切な花は
ハーブや多肉植物のミニ鉢がたくさんある場合は、靴箱を利用しましょう。ダンボールのときと下地づくりは同じ。レジ袋を敷いて、その上にキッチンペーパーで滑り止め。中でミニ鉢が動かないように詰め物をして、靴箱ごと「口開け」のダンボールへ

そして奥の手は、運転手さんにお願いして靴箱を助手席の足元に置いてもらうこと。
きちんと下地作りをして、お願いしてみましょう
ここで、ちょっと近藤流
「引っ越しやリフォーム時の"仮住まい"は暮らしのリセットチャンス」

「一聞かれたら、百答えたくなる」私(笑)。ご質問にはありませんが、引っ越しに伴う仮住まいについて少しお話しさせてください。

Column

お引っ越しやリフォームでよく耳にするのが、「何が大変って、仮住まい!」という声。私はいつも言うんです、何をおっしゃいますか! 新しい暮らしに向かう前に、暮らしをいい方向へリセットするチャンスじゃないですかって。

仮住まいの期間や家族構成にもよりますが、考え方には2つあると思います。

1

仮住まいの期間は、できるだけ物を広げないで"つつましく暮らす"

2

いやいや、いくら仮住まいの期間が短かろうと、ある程度普段通りの暮らしがしたい。

決まりはないんです。どちらでもOK。家族で相談して、①でいくとなったら、トコトンつつましやかに暮らしてみる。逆にね、どれくらい最低限の物で暮らせるか実験してみるとかね。そこで不要な物や暮らしの贅肉が見えてきたりすれば、新しい暮らしに活かせますよね。

②の「普段通りに暮らしたい」と決めたなら、割り切って荷物をちゃんと出す。中途半端はダメ。

どちらにしても、その仮住まい生活を苦しいと思うか、楽しいと思うか——— それは自分次第。大事なのは新しい暮らしに向かっていく、そのテンションを落とさず、むしろ盛り上げていけるかどうかなんです。

引っ越しを語ると止まりません。引っ越しは人生のドラマですから。

さて、鉢植えの上手な引っ越しの続きです。ダンボールの「口開け」は、植物のほかにも洗剤、調味料などの液体にも応用できます。瓶などは、どんなに梱包しても割れてしまうことがあるので、ビニール袋とキッチンペーパーなどで下地づくりをしっかりと。

ただね、「口開け」の箱がいっぱいになっちゃうと、車に積みきれなくなってしまうので要注意。引っ越し前には調味料、特に要冷蔵のものは、ダンボールの中って相当温度が上がるので、できるだけ使い切るようにしましょう。

引っ越し好きの"月のたまごさん"はすでに経験済みだと思いますが、丁寧に梱包しすぎると、荷解きのときにさぁ大変。生き物は、すぐ出せるように手間をかけすぎない。引っ越し先ですぐに、お子さんでもぱっと出せるようにしておいて、日に当てたりお水をやったりすること。これが基本です。まだまだ引っ越し関連のお悩み、あるのでは? みなさん、お待ちしていますよ!

住まいの「悩み」は、快適な住まいへの糸口です。
一緒に解決のトビラを開きましょう!

近藤典子 Noriko kondo
(住まい方アドバイザー)

30年に及ぶ収納実績による商品開発・オリジナル収納ユニット・間取り提案が好評。 著書は、累計部数400万部以上、海外でも翻訳多数。 2016年より南京工業大学浦江学院 客員教授。 資格取得できる「住まい方アドバイザー養成講座」を東京・大阪にて開講。第3期(2017年6月開講)受講生申込受付中。お問い合わせは、近藤典子の暮らしアカデミー事務局(http://www.kurashi-academy.jp TEL:03-3267-0537)まで。

●近藤典子Home&Life研究所 http://www.hli.jp/

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