すまい相談

近藤典子先生の「すまい相談室」

2月のご相談・ご質問

夫が「キッチンツール好き」で、こだわりの包丁やトング、コーヒーグッズや計量カップをよく買ってきます。それ自体はいいのですが、問題は、それを使うのが好きなのではなく、「眺める」のが好きなこと。私が収納スペースにしまい込むと、もったいない! と出して棚などに並べてしまいます。おかげでキッチン回りが雑然とした印象に…。キッチンが「見える」状態で、かつ「すっきり」しまえる、そんな方法はありますでしょうか。

(ニックネーム:T.S)

"T.S"さん、ご相談ありがとうございます。
回答してくださるのは、住まい方アドバイザーの近藤典子さんです。
早速お願いします。

こんにちは、近藤典子です。

収納は「見せる」か「隠す」か、そのどちらかになります。T.Sさんのご主人は見せたい、奥さんは隠したい(あるいは、見える状態ですっきりしまいたい)というご相談ですね。キッチンに限らず、こうしたお悩みは多くのご家庭にあると思いますよ。

「見せる収納」のメリットとデメリットは何か、基本のおさらいからまいりましょう。

見せる収納のメリット

趣味やこだわりのあるモノに囲まれ、個性的な空間を演出できる。また、そうした愛しいモノたちと一緒の空間にいることをエンジョイできる
モノの置き場が確認しやすい、モノを探しやすい

見せる収納のデメリット

掃除に手間がかる(料理の油は2メートル四方に飛び散るといわれています。使っているモノと使っていないモノの差がよく目立ちますから、こまめなお掃除が必要に)
ルールを決めずに集めたモノやコレクションは雑然としやすい

メリットもデメリットも同じくらい。さぁ、困りましたね(笑)

でもね、デメリットがあるから見せる収納をやめるのではなく、どうせ飾るのだったら、家族みんながストレスを感じないで楽しくなるような、そんな飾り方をしましょう、というのが私の考え方。そのためには、まず、モノを集めるルールを決めましょう。

1

色と質感をできるだけそろえましょう

例えばキーカラーが白の場合。白一色じゃなくてもいいけれど、モノトーンにするとか、パステル調にするとか。反対にビビッドカラーだけでそろえる、という集め方もあるでしょう。
お鍋を見せる収納にするとき、銅のお鍋があって、ステンレスがあって、ホーローがあって、アルミがあって、鉄鍋があって、おまけに土鍋があって…。これら違う質感のお鍋をただ並べただけでは、どうしても雑然としてしまいますよね。できれば、これらの中から1つか2つに素材をそろえたい。(でもね、バラバラの場合も秘策はあるんです! 下のコラムを参照)

2

テイストに統一感をもたせましょう

アンティーク調、ポップ調、北欧調といったテイストに統一感があると、すっきり見えます。

3

飾りすぎないようにしましょう

どんなに1つ1つが素敵でも、飾りすぎるとケンカになります。間を置くということは、そのモノを光らせる。余白が大事です。

ここで、ちょっと近藤流「"囲う"技で、見せる収納をすっきり!」

キッチンだけに限りません。子どものおもちゃ、リビングに散乱しがちな小物類など、いつも見える状態にしておきたいけれど、すっきり見せたいとき、この技が使えます。

Column
1

「色」で囲う

例えば、計量カップなどの引っ掛ける収納ができる場合、バックの色を統一するとバラバラ感を解消してくれます。私がよくやるのが、ベニヤ板にタイルを貼る方法。タイルの色と質感が、バラバラなものを囲ってくれます。
それは面倒、というなら、背景に1色のカラーボードやタペストリーをかけて、その前に棚を置いて飾る。これなら簡単でしょ?

2

特別な「場所」に囲う

キッチングッズの中でも小さなモノは、トレイに載せる。これも「囲う」テクニックの1つですね。木製のお皿、浅いかご、ランチョンマットを応用してもいいでしょう。ここは特別な場所なんですよ、という聖域づくりです。

3

そして、「ストレートライン」を意識する

キッチングッズに限らず、出したまま使うモノは、1列にまっすぐ並べて「ストレートライン」をつくります。奥行きはバラバラでも手前がきちんとそろっていたら、住む人の凛とした姿勢までが感じられる素敵な空間になります。

私が収納にうかがった家で、電子秤があってそれを使っているのに、使わない秤をいくつも飾っている人がいました。かく言う私も、デジタルのキッチンタイマーを使っているのに、木製のアナログキッチンタイマーをインテリアとして飾っていますし、砂時計も置いています。砂時計なんて、使いませんよね? (と言ったら取材に来たライターさんが「私は原稿を書くのに20分の砂時計を使います!」ですって)。

私はよく、「無駄なものを置きなさい」と言うんです。ただし、お掃除しましょうね、と。

T.Sさんのご主人! 見せる収納にはルールがあるんですよ。ルールを守って、奥さまと譲り合って素敵なキッチン空間をつくってくださいね。ところで、ご主人はどんなキッチンツールをコレクションされているんでしょう。私はぜひ、それを見てみたい。写真を撮って送ってほしいわ。

住まいの「悩み」は、快適な住まいへの糸口です。
一緒に解決のトビラを開きましょう!

近藤典子 Noriko kondo
(住まい方アドバイザー)

30年に及ぶ収納実績による商品開発・オリジナル収納ユニット・間取り提案が好評。 著書は、累計部数400万部以上、海外でも翻訳多数。 2016年より南京工業大学浦江学院 客員教授。 資格取得できる「住まい方アドバイザー養成講座」を東京・大阪にて開講。第3期(2017年6月開講)受講生申込受付中。お問い合わせは、近藤典子の暮らしアカデミー事務局(http://www.kurashi-academy.jp TEL:03-3267-0537)まで。

●近藤典子Home&Life研究所 http://www.hli.jp/

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