すまい相談

近藤典子先生の「すまい相談室」

12月のご相談・ご質問

フルタイムで働いている主婦です。会社帰りに買い物ができないことがあるので、ついつい乾物やレトルト、缶詰など保存のきく食料品を買い込んでしまいます。でも、買い過ぎてしまったり、買ったことを忘れていて同じものを重複して買ってしまったり、食べないままに賞味期限切れにしてしまうことが頻繁に起こります。これを防止する収納アイデアや、するといいキッチンでの工夫があれば、ぜひ教えてください。

(ニックネーム:chako)

chakoさん、ご相談ありがとうございます。
回答してくださるのは、住まい方アドバイザーの近藤典子さんです。
早速お願いします。

こんにちは、近藤典子です。

毎日忙しく働いているchakoさんは、お料理や食べることが大好きな方なのかもしれませんね。お家の食品収納のスペースはどうなっているでしょう。まずは、そこを見なくてはいけません。もしかしたら、大きなパントリーなどの収納スペースがあるから、ついつい買い込んでしまうのかもしれません。

食品に限りませんが、収納や片づけで大事なことは、暮らしに合った「適正量」を決めることなのです。どんなにモノを捨てても、どんなに片づけても、適正量がわからないと、必ずリバウンドしてしまいます。いますよ、「いったん片づけるとなると、がさぁ〜っと捨てちゃって、やぁ〜、片づけたわ。すっきりしたわ!」と涼しい顔。しばらくすると「あぁ、困った。あの時捨てなきゃよかった」という人。そういう人は、またすぐにモノが増えちゃうんですね。

家の中が片づかない人のほとんどが、モノの適正量を決めずに暮らしています。たとえばスプーン1本。ちょっとデザインが可愛くて安いのを見かけた。1本ぐらいいいだろう、と思うんですよね。この1本ぐらい、1個ぐらい、2個ぐらいという「ぐらい」がくせ者なんです。家の中にはものすごい種類のモノがあるので、それが1個ずつ増えるとどういうことになるか。考えると恐ろしいでしょう?  片づいている家の人をみると、この適正量がわかっている人が多いように思います。

でも、適正量って、どうやって決めればいいの? ポイントは3つあります。

1つめは、日常使いの量に合わせて適正量を決める

日常使うもので、ついつい溜め込みがちなものが、タオル、シーツ、靴下など、いわば補助的なもの。主役の洋服などは「私、ちょっと持ちすぎているわ」と自覚できても、こうした補助的なものは、無自覚なだけにやっかいです。最近私がうかがった家で、パジャマだらけのお宅がありました。もったいないから捨てられないし、人様に見えないし…と。シミのついたTシャツまであって、「何にするの?」と聞いたら、「パジャマ」って(笑)。でも、よく聞くてみると実際に着ているのは、そのうちの何枚かだけなんですよね。

それが、あなたの適正量。それ以外は暮らしの贅肉。あなたの家や暮らしを蝕む贅肉なんですよ、と。だけどね、前にも衣類の年金の話をしましたが、ちょっと貯蓄はいると思います。自分で「日常使う量+予備の量」を決めて、それ以上をもたないようにしましょう。

2つめは、消費のサイクルに合わせて適正量を決める

これは、日々消費していくものです。自分の家で、消費が早いものって何だろう? 消費が遅いものって何だろう? 家々で違うと思いますが、台所用洗剤、ドレッシング、マヨネーズなどは消費が早いものでしょう。これらのストックは1〜2個で十分。それに対して、パイプクリーナーや靴磨きクリームなどは、一般的には消費が遅いもの。これらはストックは不要です。だって、今使っているものが切れたとしても、すぐには使わないですから。

3つめは、収納スペースに合わせた適正量を決める

小さな収納スペースしかないのに、お徳用サイズの缶詰を買ったりしていませんか? 小さい缶詰にかえて、数も少なくして、1個使ったらストック1個を補うことをおすすめします。最近の食品は、防腐剤や調整剤が昔より少なくなっていますから、常温と書いてあっても、ほとんどが冷蔵庫に入れなくては傷む、ということも頭に入れておいてください。小さいサイズのものを、口を開けたら早めに消費する方が安心ですよね。

chakoさん、お待たせしました! ご相談の中に、「ついつい乾物やレトルト、缶詰など保存のきく食料品を買い込んでしまいます。」とありますが、二重買いするもの、三重買いするものにクセはありませんか? それは胡麻じゃないかしら? それとも切り干し大根? 鯖の味噌煮缶?

ここで、ちょっと近藤流「3つのクセと向き合う」

先の文章を読んで、クスクス笑っちゃった人! 心当たりがありますね? 

Column
1

持ち癖

先日行ったお宅には、ウスターソースが何本もありました。以前ストックを切らしたときにご主人の機嫌が悪くて…と。これまで見てきた家にも必ずあるんですね、持ち癖というのが。春雨ばかりという家、小麦粉ばかりという家もありました。乾物や缶詰が多いですね。食品の場合は地域性や、職業や、家族に介護している人がいるといったような事情にもよるので、一概には言えませんが、それでも、ストックが単に持ち癖になっていないか、期限切れしているものはないか、一度チェックしてみるといいと思います。

2

買い癖

持ち癖がわかると、買う時に気をつけるようになります。これで買い癖も解消。

3

使い癖

使ったものを、あっちこっちに置くクセ。鰹パックの使い差しを輪ゴムでとめて、エプロンのポ ケットに入れたり、食器棚の隙間に入れたり。無意識のクセ、笑っているあなたにも、あるかも しれませんよ!

みなさんもご存知のように、クセというのはなかなか直りません。

そこで、chakoさんに私からアドバイス。よく二重買い、三重買いしてしまうもの、たとえばそれがお気に入りの紅茶であれば、いま使っているもののすぐ近く(上下か、左右か、前後か)にストックを置くようにします。使うたびに、ストックが目に入りますから、スーパーで「残り少なくなってたはずの紅茶、え〜と、買い置きはあったかな?」と迷って買っちゃうことがなくなりますね。そうして半年か1年すると、消費サイクルがわかってくるので、離れたところに置いておいても、ストック管理ができるようになると思います。

みなさんも一度、自分の持ち癖、買い癖、使い癖と本気で向き合ってみませんか。

住まいの「悩み」は、快適な住まいへの糸口です。
一緒に解決のトビラを開きましょう!

近藤典子 Noriko kondo
(住まい方アドバイザー)

30年に及ぶ収納実績による商品開発・オリジナル収納ユニット・間取り提案が好評。 著書は、累計部数400万部以上、海外でも翻訳多数。 2016年より南京工業大学浦江学院 客員教授。 資格取得できる「住まい方アドバイザー養成講座」を東京・大阪にて開講。第3期(2017年6月開講)受講生申込受付中。お問い合わせは、近藤典子の暮らしアカデミー事務局(http://www.kurashi-academy.jp TEL:03-3267-0537)まで。

●近藤典子Home&Life研究所 http://www.hli.jp/

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