すまい相談

近藤典子先生の「すまい相談室」

11月のご相談・ご質問

小3の息子の部屋が片づきません。宿題のノートや教科書を机に広げたまま横にある本を読み、そのままにして、床に座ってレゴで遊び、自慢の作品とともにブロックが散乱しています。注意すると素直に片づけ、「すごくきれいになったよ!」と見せてくれるのですが、2日ほどすると、机の上は「こんもり」。床にもモノが……。隣接するリビングにモノが押し寄せてくることも。子どもが自発的に片づけたくなる方法を教えてください。

(ニックネーム:Lemon)

Lemonさん、ご相談ありがとうございます。
回答してくださるのは、住まい方アドバイザーの近藤典子さんです。
早速お願いします。

こんにちは、近藤典子です。

Lemonさんの小3の息子さん、めちゃめちゃいいお子さんじゃないですか! 母子のほほ笑ましい姿が目に浮かぶようです。

でも、息子さんが可愛くてしかたないというLemonさんも、無意識のうちに「ほらまた机の上が"こんもり"してるでしょ! さっさと片づけなさい」とか、「とりあえず引き出しにしまいなさい」などと口走ってしまっているかもしれません。とりあえず、って何? どこへしまえばいいの? って聞いたら、「本箱のあたり」って言うけど、「~あたり」って何? 子どもには分からない概念なんです。

まず大事なのは、子ども部屋というのは何をするところなのか、どうして必要なのか(どうしてあなたに与えるのか)を親子で話し合って、意識を共有しておくことです。

私自身は、子ども部屋はあってもなくても、どちらでもいいと思っています。ただ、なくてもよいけれども、自分と向き合う場所を家のどこかに作ってあげることは必要だと思います。子どもなりに親に気を遣っていたり、兄弟姉妹には見られたくないこともある。「個」があるはずなんですね。「個」になれたときに初めて、思い切り涙が流せたり、理不尽だなと思うことを自分なりに消化できたりすることってあると思うんです。

ですから、子ども部屋を与えるとき、あるいはリビングのコーナーでもいいと思うんです、そのときに「ここは、あなたが好きなことをしていい場所。家の中でプライバシーが守れる場所なのよ。あなたを一人の人間として尊重するから、だから与えるのよ」と、説明しましょう。

同時に、「あなたが尊重されるということは、あなたもパパやママやきょうだいのことを認めるということ。だから、相手に敬意をもつのと同じように、自分の部屋やモノもちゃんとしようね。
それがルールですよ」という説明をすると、子どもって、分かるんです。ものすごい潜在能力を持っていますから。

それでも、片づかない? どうして片づかないんだろう。それはね、ひとつには持ち物すべてが必要に思えて捨てられないんです。子どもには「要らない」とか「不必要」という経験が少ないため、捨てるという発想がないから。Lemonさんの息子さんも「すぐに机の上が山積みに……」ということですが、要・不要が見極められないということはないですか?

あなたの部屋やコーナーのスペースはこれだけですよ、ここで何とか収めるには? それを、ゲーム感覚で親子で一緒に考えるといいですね。子どもって、要らないものを持ちたがりますよね。古くなったぼろぼろのぬいぐるみとか、壊れて使えなくなった道具とかね。自分のニオイが染み付いた仲間なんでしょう。親に対する安心感とは別物の"ほっとする"があるんだと思います。でもね、それはいつか手放さなくてはならないもの。「新しいものを使うことによって、違う発見があったりするよ。役に立たなくなったのに、ずっとここに置いておいたら、この子も寂しがっているよ。"ごくろうさん"といって、お別れしようね」。私がよくすすめるのが、おもちゃでも道具でも捨てるときに、「あなたの好きな食べ物は何?」と子どもに聞いて、ガム1枚、チョコレート1つを添えて、「ありがとう」と言って捨てさせる。みんな、すっきりした表情をしていますよ。

要・不要がわかるようになり、不要な物を処分できるようになったら、つまり「整理」ができるようになったら、次に「収納」「整頓」へとステップをあげていきます。「収納」についてはまた別の機会にお話しするとして、Lemonさんのご相談の中にある広げっぱなし、置きっぱなし、が直らないのはひとつには、無意識の行動が習慣化していることがあると思います。これは、紙に書き出すことをおすすめします。それも親子で一緒にやりましょう。怒りながらじゃなくね。書き出して、話し合って、対策を練ったら、それを本人のルールにする。ルールを守ったら、めちゃめちゃ誉める。守れなかったら、罰則ですよね。窓を磨くとか、掃除をするとか。カレンダーにシールを貼るなど「見える化」することも効果的です。

ここで、ちょっと近藤流「片づけを習慣化させる"3つのひ"」

幼いときから片づけの習慣をつけるための方法として提案しているのが、「3つのひ」です。ひっかける、というのは2歳のお子さんでもできる片づけの第一歩。下記の順に行うのがポイントです。

Column
Step.1

ひっかける

洋服やおもちゃなどが引っ掛けられるように、子どもの手の届くところにフックをつけ、「床置きしない」習慣をつけます。

Step.2

ひっぱる

キャスターがついたカゴや箱にひもをつけ、それを引っ張りながら散らかったものを回収していきます。「まとめる」ということを自然に覚えることができます。

Step.3

ひきだし

1、2ができるようになったら、引き出しやカゴ、箱などにしまうことを教えます。引き出しに、収納の完成形の写真や絵を貼っておくといいでしょう。

お宅に小さなお子さんがいる場合、ぜひ「3つのひ」を実践してみてください。でもね、これって大人も一緒なんです。私も家で主人に、いつも 「床置きしないで!」「散らかしたら、まとめといて!」「終わったら、引き出しに入れといて!」と、あきらめないでしています。

Lemonさんの息子さんは、レゴで作品を作るのが大好きなクリエイティブな息子さんのようですね。作品はこれからも増え続けて、お母さんを悩ませるかもしれません。ずっと飾っておいてあげたいけれど、スペースには限りがありますよね。そんなときには、一定期間リビングや廊下、階段の踊り場などの家族の目に触れる場所に飾って、一週間でも10日間でも家族みんなで見て、「下手くそだねぇ〜」でも、「不細工だねぇ〜」でも何でもいい。わいわいと話題にしてあげて、そしてお別れをする。物は消えても、そうした想い出が残ります。

子ども部屋を自発的に片づけられるようになる段階で、応用力、理解力、管理力、統率力、いろんな力が身につきます。物とのつき合い方を通して、物ばかりか人との関わり方、優しさまでも学ぶことができる。勉強だけでなく、将来の仕事にもきっと役立つと思います。

住まいの「悩み」は、快適な住まいへの糸口です。
一緒に解決のトビラを開きましょう!

近藤典子 Noriko kondo
(住まい方アドバイザー)

30年に及ぶ収納実績による商品開発・オリジナル収納ユニット・間取り提案が好評。 著書は、累計部数400万部以上、海外でも翻訳多数。 2016年より南京工業大学浦江学院 客員教授。 資格取得できる「住まい方アドバイザー養成講座」を東京・大阪にて開講。第3期(2017年6月開講)受講生申込受付中。お問い合わせは、近藤典子の暮らしアカデミー事務局(http://www.kurashi-academy.jp TEL:03-3267-0537)まで。

●近藤典子Home&Life研究所 http://www.hli.jp/

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