まりも図書館

11月の2冊

「近藤典子の「片づく寸法」図鑑」 近藤 典子

「山崎亮とゆく コミュニティデザインの現場」 渡辺 直子

2015年11月30日更新

「近藤典子の「片づく寸法」図鑑」

近藤 典子

9月の本欄で「蔵書はまだ4冊しかない」と呟いたからなのか、マリモリビングゆかりのお二人から著書を寄贈していただいた。「すまい相談室」の回答者を務める近藤典子さんからの1冊は、『近藤典子の「片づく寸法」図鑑』。収納の第一人者にして、住まい方アドバイザーの近藤さんの本は、これまで40冊以上が出版され、発行累計部数がなんと400万部を超えるという。

3つのサイズを覚えれば、なかなか
片づかない衣類もすっきり、ぴったり
 クローゼットで重要なのは、「60㎝」「40㎝」「25㎝×35㎝」の3つのサイズ。
 「60㎝」というのは、トップスの幅で、「40㎝」はボトムスの幅。「25㎝×35cm」というのは服をたたんだときのサイズです。
 クローゼットの中はどうなっていますか?

10月の回答のなかの近藤さんの言葉、「クローゼットを制するものは、家の中の片づけを制する」に刺激されて、早速わが家のクローゼットの片づけにとりかかった司書まり子。扉をあけてみると、洋服の量がそれほど多いわけでもないのになんだか雑然として、手持ちの服が見渡せない状態に……。

そこで本書の6章「CLOSET」を開く。
「サイズを意識して収納方法を変えてみると、同じスペースに驚くほど収納できるようになり、しかも管理しやすくなる」とある。つまり幅40㎝で足りるボトムスを幅60㎝必要なジャケットやコートなどと混ぜて吊るすと、ボトムスはトップスの間に埋もれて、肝心のときに見つからなくなってしまう。そうそう、出がけに探すのはストレス。そればかりか、ボトムスだけ揃えて収納すれば生まれるはずの20㎝の空間を無駄にしていることになる、と。 なるほど、理屈がわかればやる気になる。

さらに、「たたむ」サイズも意識すると、わが家の棚も高級ブティックのように美しくなる(とは書いてないが、そう思う)。クリーニングから戻ってくるシャツは概ねA4サイズ(約21㎝×30㎝)だから、それより少し大きめにたたむと、25㎝×35㎝となり、先のボトムス40㎝を吊るして空いた下の空間に、同じ奥行きの棚をつけたり、引き出しケースを置けば、そこにぴったり収まるという。
クローゼットの他に、エントランス、キッチン、ユーティリティ、リビング、ベッドルーム、和室のサイズと収納術について。あなたが引っ越しやリフォームを考えているなら、ぜひ一読を。
講談社・1400円(税別)

「山崎亮とゆく コミュニティデザインの現場」

渡辺 直子

もう1冊の贈り主は、「住めば都」ゼミナールのわたなべ助手こと、フリーライターの渡辺直子さん。著者の紹介を兼ねて、ぜひキャンパスの「ゼミ主幹の談話室」をのぞいてみてほしい。えっ!? どこに談話室があるのか分からない?
学舎の横から顔をだすふくろう学長の向かいに、優雅に舞う1匹の蝶———。そこが談話室への入り口。毎月、ゼミナールの助手と主幹との取材ウラ話、こぼれ話、よもやま話が密かに交わされている。

CASE1 兵庫県 家島
変化対応のための
コミュニティデザイン
衰退する基幹産業に代わる「元気の素」をつくる

「家島」プロジェクトは、山崎と「studio-L」の仕事としての原点ともなった案件である。その始まりは、西上ありさにある。西山は……

前置きが長くなったが、本書は、渡辺さんが繊研新聞社と組んで、2011年から2012年当時、コミュニティデザイナーとしてマスコミに注目され、関西を拠点に活躍していた山崎亮氏と「studio-L」に1年間密着し、氏の手がけるコミュニティデザインの現場を見て歩いた記録と考察である。

第2章「現場を歩けば」で紹介された6つのCASEのうちの1番目が、写真上の兵庫「家島」プロジェクト。それは、砕石業と近海漁業で大儲けしていた島が衰退の途をたどる中で、当時まだ学生だった西山ありさ氏と、彼女のボスである山崎亮氏が住民参加の「まちづくり研修会」に加わり、住む人たちが島の面白さを再発見するさまざまなプロジェクトをしかけ、島の資本である「人の力」を醸成させていった10年にわたる物語である。 2012年には、家島は新潟の中学校の修学旅行先に選ばれるほどの「元気なまち」になったという。

他に紹介された現場は、島根県・海士町、宮崎県・延岡市、三重県・島ヶ原、東京都・墨田区など。それぞれ20ページを超すレポートには、多くの住民が普段着のまま登場し、わが町について真剣に語り合い、行動する姿が写し出されている。
物語の最初は不安や困惑、ときには苦渋に満ちた表情が、徐々にやわらぎ、笑顔が増え、自信に満ちてくるのが印象的だ。ライターの渡辺さんやカメラマンが、単に外部の取材スタッフとしてではなく、まちづくりに「参加」したからこそ撮れた表情なのだと思う。
地域おこし、まちおこしに興味のある人は言うに及ばず、「モノはつくらず、絆をつくって地方と人を元気にする」という山崎亮的、仕事の流儀を知りたい人にもうってつけの1冊。
繊研新聞社・1800円+税

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